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「サン=ベルナール峠を越えるボナパルト」と画家の手腕

オーストリア旅行
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(2019年2月、オーストリア旅行へ行った時の記録です。)

この教科書で見たことがある超有名絵画、実は本物が5枚あるってご存知でしたか?
同じ画家が5枚描いているのです。

私はベルベデーレ宮殿に観光に行くまで知りませんでした!

そもそもこの絵、見たことはあるけれど深く調べたことが無かったんです。
(「好きな絵画は?」「私、サン=ベルナール峠を越えるボナパルトかなぁ」「あの絵いいよね!」みたいになったこと無い…。笑)


んんん?
何故ここにナポレオン?
ベルサイユ宮殿にいたでしょう??
と、最初は驚きました。

何故、同じ構図の絵画が5枚もあったかというと、制作した目的がプロパガンダであったから

この絵、超盛って盛りまくって「圧倒的力のあるカッコいいオレ」を前面に出した超誇大宣伝ポスターだったんですって。

実際はこんなんだったらしいよ~って、ナポレオン死後に暴露画が出回っております。


by Paul Delaroche

世界史の教科書に載ってるカッコイイ方、信じちゃうじゃん!
令和に生きる私もしっかり洗脳されていました。
早く教えてよ、もう…。

実際のナポレオンは乗馬が下手で、ラバでサン=ベルナール峠を越えたそうです。
戦いの終わった峠を数日後に超えたそうです。

…そんな、なんとも言えなくなってしまう史実を捻じ曲げて、超イケイケな詐欺写(古い)ならぬ詐欺画を作らせてしまったナポレオン。
逆に気持ちいいな。笑

話は戻り、この、私がベルヴェデーレ宮殿で見たナポレオンさん。

ミラノ制圧のために描いたもので作成当時はミラノにあったものですが、紆余曲折あり1834年にベルベデーレ宮殿に納められたようです

ナポレオンの2人目の奥様(マリア・ルイーザ)がハプスブルク家出身だった縁故で納めてある、とベルヴェデーレ宮殿で説明があったと記憶しております。

確かに、実物観たらかっこいいんですよね。
大きくて、躍動感に溢れていて。
教科書のだ!!!とやっぱり高揚しちゃいます。

因みに、下の超有名な「ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠(ルーブル美術館)」に描かれているのは最初の奥様。

この奥様も当時41歳の割には若々しく描いてある…。
(この後に子供ができないことが原因で離婚しています。)

いやぁ、宮廷画家大変過ぎるな。

綺麗に嘘を描けるだけの圧倒的画力
そして
上司の気分を逆撫でしないサラリーマン力
宮廷画家って超難易度の高い職業だな、
っていうのが、この旅でこの絵画を見て感じた、率直な意見です。笑

 

しかし、こんなディズニー映画の悪役のやり口に出てきそうな、おとぎ話のような、絵画で偉大さを語るのだ!なんてプロパガンダが実際に行われていたんだなぁ、って思うとなんだか面白いですね。

 

ナポレオンの第一宮廷画家
(なかなかサイコパスで笑えない…)

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