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【毛糸だま 2021夏号(vol.190)の感想】ボビンレースの歴史

服飾
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待ちに待った、毛糸だま夏号が発売されました!

レース編み特集、とてもとても楽しみにしていたのです。

 

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全体の感想と編みたい作品

 

作品傾向・印象

  • カジュアル寄りで、実用性のあるアイテムが多い
     
  • 大作多め
     
  • 例年の夏号よりも、シェットランドレースなどの棒針作品が多いかも
     

 

個人的には過去4年間くらいの夏号で、最も気に入っています♡

 

手の込んだものだからこそ、普段から沢山身に付けたい。

そんな方にピッタリの本だな、と。

 

私は、P11やP20、21あたりの編み図を

大判ショールにアレンジして編んでみたいなぁ。

 

そして、プルオーバーは全部可愛いので時間が許すならば全て編みたい。笑

 

昨今のロンググラデーションの毛糸に合わせてか?

可愛い三角ショールの編み図が用意されているのも良きです。

 

 

フランスのボビンレースの歴史

 

そして、今回の世界手芸紀行は、フランスボビンレースのお話。

 

ボビンレースの発祥地

 

ボビンレース発祥の地として

  • アランソン
  • ル・ピュイ・アン・ブレー

の2地域が紹介されています。

アランソンよりもル・ピュイ・アン・ブレーのほうが古くからあるもの

 

発祥から紆余曲折ありますが、現在の国の体制としては

1976年に国立ボビンレース工房を設立し、

スペシャリストには国家公務員資格を与える等して、

技術を保護しているようです。

 

各地方の発祥、発展のアウトラインを以下にまとめました。

 

ル・ピュイ・アン・ブレーのニードルレース

 

1407年、イザベル・マムールさんによって生み出された手法。

 

彼女、元々刺繍屋さんだったのですが

大聖堂のマリア様のドレスを作り替えるプロジェクトを任されたとき、

どうしても刺繍が進まず、

リネン糸を交差させてネット状に編むことでドレスを完成させたそう。

このネット編みがニードルレースの始まりです。

(この方、とってもお美しい方だったようですよ♡)

 

この地域は、

スペインのサン・ジャック・ド・コンポステルまでの巡礼の出発地であり、

宗教的なイベントがある度に

異郷の人々が大勢集まる土地だったそう。

 

この好立地がラッキーでした♡

巡礼者がお土産品として持ち帰ることで認知されるようになり

繊細な美しさにも品質にも定評があり、人気が出ます。

 

アランソンのニードルレース

 

一方のアランソン。

こちらは国の支援によって、ニードルレースが産業となりました。

こちらの方がだいぶ深刻な理由

 

アウトラインは以下の通り。

 

  1. 16世紀後半 フランス貴族達はヴェネツィアンレースを偏愛
     
  2. しかし、17世紀初めの三十年戦争により国庫がひっ迫
     
  3. 国費の流出を恐れた政府、贅沢品の輸入を禁止
    この贅沢品にはレースも含まれていた
     
  4. それでもレースが大好きな貴族達はレースの闇取引を行う
     
  5. 流石に参ったルイ16世、自国でのレース産業をあっ旋
    イタリアのレース職人を丁寧にお招きして、技術を分け与えてもらう
     
  6. 産業の無い地方のドル箱策として、ニードルレースが誕生

 

貴族達が如何にヴェネツィアンレースを溺愛していたかがわかりますね。笑

 

感想

 

ルネサンスがイタリアから始まったことも大きいと思いますが、

この時代のイタリアのアートや伝統工芸って

とても発展していて、審美眼のある貴族たちから見ても

欲しくて欲しくて仕方のない魅力のある物だったんですね。

そりゃ、現代に生きる私たちが見ても美しいですもの。

国が違っても、時代が違っても、同じく美しいと思える物って素敵。

(まぁ、だから伝統工芸なんでしょうね。)

 

そして、

レースの闇取引なんて、笑ってしまうような笑えない史実

歴史って面白いなぁ。

 

特にヨーロッパ圏で顕著な気がするのですが、

自国の伝統文化が廃れそうになった時

国を挙げて「待て待て、我々の大事な文化だ、保護しなくては」と

惜しみなく手を差し伸べる体制って素晴らしいです。

 

 

いやぁ、今回の毛糸だま、個人的には大当たり。

本当に買って良かったです♡

また、作品を編み始めたら、ブログにもあげさせていただきます。

お付き合いいただき、ありがとうございました。

  

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