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グイド・カニャッチ「クレオパトラの自死」

オーストリア旅行
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ブログに「好きな絵画」というカテゴリーを追加しました。
これから少しずつ、好きな絵画を感想、理由などとあわせて更新していこうと思います!

さて今日は、ウィーン美術史美術館で出会って、余りにも美しくて大好きになった絵画。

グイド・カニャッチの「クレオパトラの自死」です。

昔GUのCMで、香椎由宇さんがクレオパトラを演じていらっしゃったのを覚えている方いますか?
正に、日本で定着しているクレオパトラのイメージって、あのビジュアルで、「香椎さん似合いすぎ」って当時思いました。

クレオパトラって、ギリシャ人っぽい描かれ方(茶髪でロングヘア)と、正にエジプトの壁画の人(黒髪おかっぱ)の描かれ方の2通りあると思います。
個人的にはギリシャ人っぽい描かれ方のほうが好きな絵画が多いかな…。

そんな、クレオパトラの最期。

クレオパトラはアクティウムの海戦で敗れ、毒蛇に胸を噛ませて自死してしまいます。この史実、沢山の画家さんが様々な解釈で描いていて、見ていて面白いです。

大きな美術館で、女性の身体に蛇が巻き付いていて、取り巻きの女官たちが一緒に描かれていたら
「あ、クレオパトラかな?」という感じですね。

その中でも、グイド・カニャッチの「クレオパトラ」。
ちょっとテイストが他の画家さんと異なると思うんです。

  • 一国を守る勇ましい女王というより、可憐な少女のようなクレオパトラ
  • 苦しんで、というよりもすーっと安らかに綺麗に眠ろうとするクレオパトラの表情
  • 見守っている女官は6人も描かれていて、表情が少しずつ異なっていて動き出しそう
  • 無駄のないスッキリとした背景


女性の描き方が優しくて美しくて大好きです。

クレオパトラも、可憐でほんの少し官能的だけれど、上品に描かれていると思うんです。そこが凄く好きなポイント。
クレオパトラってイメージが先行して、悪女に仕立て上げられることも多いけれど、きっと自国を守りたい故の行動でもあったと思うんです。
作者の意図と一致しているかはわからないけれど、悪女感が無いというか、作者のクレオパトラへのリスペクトが伝わってくるというか…、そんな風に表現して描ききっているように伝わります。
クレオパトラが女官達に慕われているのも伝わってきます。
この絵の柔らかい肌質の描き方も好き。

この絵を見ていると、クレオパトラと女官達との間で、時間の流れ方の違いを凄く感じるんです。
クレオパトラには穏やかでゆっくりと時間が流れているけれど、女官達は慌て、泣き崩れていて、刻々と迫る最期までの時間が早く流れているような感じ。女官達から凄く臨場感が伝わってきました。

実物を見てみると、6つのカンヴァスをつなぎ合わせて、拡大しながら描いてあります
きっと最初は6人も女官を描くつもりでは無かったけれど、描いていくうちに女官達で表現したい何かがでてきたのかもしれません。

作者のグイド・カニャッチはイタリア人で、オーストリアの宮廷画家に就いた人。
旅先で見るまで知らなかったのですが、この人の描く女性は本当に美しいな、と。
グイド・カニャッチの描いた「マグダラのマリア」もいつか見てみたい作品の1つです。

参考リンク

美術史美術館の作品紹介ページ

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