丁度今頃になると、スペイン旅行でフラメンコを鑑賞した時のことを思い出します。
すっごくカッコよかったんですよね。
私の小さい頃のフラメンコ(ジプシー、以下ロマ族)のイメージって、宝塚の姿月あさとさん、花總まりさんが主演の「激情」(宝塚版カルメン)のイメージ。
(大人になって海外旅行に行くようになってからは、観光客狙いの悪質なロマ族にゾッとすることが多くてなってしまった訳ですが…。人種差別の問題は根深い…。)
昔の ロマ族はアンダルシア地方の洞窟を転々と移り住んでいて、フラメンコって洞窟で踊っていたもののようです。
私が鑑賞した時も、半洞窟?のような会場で、雰囲気たっぷり。
(エアコンが付いていて少し安堵した私。真夏のスペインは暑すぎた…。)
ゆったりとした曲調から、どんどん激しさを増し、最後は火傷しそうなくらい熱のこもった音楽と踊り。
鑑賞後は、濃厚、燃えた、って感じ。
この踊りに年齢も体型も関係ないんですよね。
むしろ、年齢を重ねた表現者の方が、身体は動かなくとも、味わい深く見ごたえがある。
(フラダンスやベリーダンス等々、民族舞踊ってこういうことが多い。)
高度なテクニックをかますことだけが、豊かな表現力に伝わるわけでは無いんですよね。
ロマ族にとって、踊ることは生きること、自らの存在を示すこと。
彼ら、彼女たちは立派な表現者で、アーティスト。
誰だって、存在しているだけで十分価値があるんです。
ロマ族の歴史(人種差別や迫害)から発展してきたものだから、フラメンコには、これだけの熱量を感じずにはいられないのかもしれません。
そして、そのアイデンティティを、現地でフラメンコを生業にしている人たちは確実に継承していく…。
あぁ、舞踊って、音楽っていいなぁ、と感動しました。
余談。
当時は全く知識の無いままにフラメンコ鑑賞をしたのですが、帰国後に「サクロモンテの丘 ロマの洞窟フラメンコ」という映画を観て、よりフラメンコの奥深さや魅力を知りました。
迫害を受けてきた ロマの生き様がストレートに映し出されていて、見ごたえ抜群。
どんな境遇でも、環境でも、思いっきり笑って泣いて、沢山喋って、精一杯生きる。
人種、地域に関わらず、忘れていた生きることの本質が見える気がします。
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