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【感想】スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち

美術展・美術誌の感想
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スコットランド国立美術館展へ行ってきました。

特に好きな画家、ベラスケス、エル・グレコ、コローあたりを楽しみに行ったのですが、他にも素敵な絵画が沢山来日していて、本当に眼福でした。

 

東京都美術館の金曜日夜、かなりおすすめです。
比較的空いているし、仕事帰りの時間を超絶有効に使えた気持ちになります。

本当、治安が良いというか、美術館から出てきたら、全然人がいませんでした。

 

以下、印象に残った作品をざっくりと。

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エル・グレコ「祝福するキリスト(「世界の救い主」)」

あの映画にもなった、話題のレオナルド・ダ・ヴィンチ「サルバトール・ムンディ」に準えて描かれた絵画。

https://ja.wikipedia.org/wiki/サルバトール・ムンディ

ダヴィンチの「サルバトール・ムンディ」は、山田五郎さんのYouTubeが本当に面白くて、おすすめです!

私はダヴィンチの「サルバトール・ムンディ」を実際に見たことは無いけれど、エル・グレコの描いた物のほうが好きで。

エル・グレコの絵画って言葉に表せないような、空気感とかオーラが、どんなに小さな絵からも溢れ出てくるような気がします。エル・グレコの描いた、人物が正面を向いている絵は、視線がどこか遠くを見つめていて、観る人と視線が合わない様な絵が多いですね。

ディエゴ・ベラスケス《卵を料理する老婆》

これ、ベラスケス10代の頃の作品ですって。

あぁ、もう、これは神童でしかない。

卵に火が通っていく様子とか、金属や陶器の質感とか、完璧じゃないか…!

ピカソの15歳の時に描いた「科学と慈愛」を観た時のような衝撃。

初期の初期、若い頃の作品なので、ベラスケス特有の大胆な筆さばきで質感を表現するような手法は見られないけれど、本当に完成度の高い作品で驚きました。

この時代のスペインの静物画は「ボデゴン」と呼ばれていて、食材がテーマになるが多かったので、「厨房画」と訳されることが多いそう。

ベラスケスのこの絵は人物も描かれているし、「静物画」というと何となく違和感があるけれど、「厨房画」と言われるとしっくりきます。

ジャン=バティスト・カミーユ・コロー「廃墟」「ラ・フェルテ=スー=ジュアール近郊の思い出(朝)」

「廃墟」
「ラ・フェルテ=スー=ジュアール近郊の思い出(朝)」

あぁぁ、素敵。

この色彩、美しいなぁ。

コローの風景画、本当に好きすぎて。癒されます。お部屋に飾るのであればこういう絵画が好き。

ラ・フェルテ=スー=ジュアールはパリから東に50kmくらい離れたところで、コローがよく制作活動を行なっていた場所。お友達のお家に泊めてもらいながら、制作に励んでいたのだとか。

コローの作品には「思い出」というタイトルがつきがちですね。

ベルト・モリゾ「庭にいる女性と子供」

モリゾの未完成作も来ていました。
作家としては、未完成の作品を大勢の人たちの前に晒されるのって、嫌かもしれないですが…。

モリゾの絵画、昔からなんとなくずっと好きで。

「女性の描く女性」の方が、女性から見ると魅力的に映りやすい気がするんですよね。変な性的な視点が入っていない美しさ、というか。

この絵はパリ西部のプージヴァルのお庭で遊ぶ娘と姪のようです。

フレデリック・エドウィン・チャーチ「アメリカ側から見たナイアガラの滝」

この絵、迫力が凄すぎて、飲み込まれそうな勢いでした。257.5×227.3cmもあるんですよね。滝の音が聞こえてきそう。

私、ナイアガラといえばマリリンモンローの出ている映画の印象。この映画、正直物語が「…。」という感じなのですが、何が驚いたかって、1950年代のナイアガラがかなり観光地化されているってところです。誰がこんな境地に人が通れる場所をつくったのさ、と。

で、この絵画もしっかり左側の真ん中上に人を描いていて、全体のスケール感が伝わってくるのが良きです。

この絵は画商に依頼されてパリ万博用に描いた絵で、この作家、20点以上ナイアガラの滝を描いていたと知って驚きました。

展示室を出て直ぐのところに、この滝の前で写真を撮れるスポットがありました。

 

こういう展示会に行くと、自分からは絶対見に行かないような作家の作品にも触れることが多いので、新しい発見があるなぁ。

 

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