洋裁を始めてしばらくした頃、
バイアスカットの女王と呼ばれている、マドレーヌ・ヴィオネの存在を知りました。
あまりにもクリエーションが美しくて、衝撃的で、カッコよ、と。
当時は10代だったけれど、ディオールよりもシャネルよりも、ダントツでヴィオネが素敵だと思いました。
彼女のメゾンが存続していたら、今のハイブランドと肩を並べるようなメゾンになっていたのでしょうか。
日本で服飾の勉強をしていない人からは、残念ながら、ヴィオネの認知度って低いように思います。
そもそも、何故、私がヴィオネを知ったかというと、
私の通っていた中高は附属の女子大があって、家政学部もあったので、図書館には服飾に関係する本も比較的多く置いてあって、ヴィオネの本もそこで見つけたから。
ページを開く度にドキドキして、心がときめきました。
とにかく、カッコ良かった。
そして、「どこがどうなっているの?」って、不思議で仕方なくて、魔法のようでした。
当時はスタンダードな?洋裁本のスカートやワンピースすら綺麗に縫えないのに、「いつかこんなお洋服が作れるようになれたら素敵だな…」なんて思って、いくつかあるヴィオネ本の中から、パターンの展開が載っていた、この本を本屋さんで取り寄せてもらって、購入しました。
当時の私にとっては、お小遣いで買うには高価な本。
VIONNET 副読本
今はポチッとすぐ購入できるので、本当に素敵な時代です。
総じて素敵なのですが、この本に恐れ多くもダメ出しさせてもらうと、デメリットは
- 写真がモノクロで、詳細がわかりにくい
- 実物大パターンが載っていない(縮小された方眼にパターン展開が載っている)
ってところです。
一応、縫製のポイントや手順などは掲載されているので、全くもって読者を突っぱねる感じでは無いけれど、あくまでも、資料としての読むようなものに思います。
まぁ、ヴィオネが生前にバイアスカットで訴訟を起こしているくらいなので、厳密にパターンを起こして販売することができないのかもしれないし、
実物大パターンなんて複雑で大きくて作ってられないのかもしれないし、
そもそも副本ってタイトルになっているくらいなのだから、コピーしてないで、参考に留めて自分の制作に打ち込んでくれ、って学生さんに向けた本なのかもしれません。(知らないけど。)
何はともあれ、たま〜〜に見ると、やっぱり素敵。
ちょっとこう、古代ギリシャ?みたいな要素の入った服も素敵だなぁ。
眼福です。
京都服飾文化研究財団では、各年代のお洋服を資料として公開されていて、ヴィオネの手掛けたドレスも見ることができます。
良い時代ですね。
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