2024年9月にベルギーのブリュッセル、グランプラスを訪れた時の旅行記です。
世界で最も美しい広場へ
ブリュッセルへ到着して直ぐに向かった先は、やっぱり憧れのグラン・プラス。
ずっと行きたいと思っていた場所のひとつです。
ブリュッセル中央駅から歩いて行ける距離(5分程)。ブリュッセル中央駅は外観こそ少し新しく感じるものの、THEヨーロッパの駅!というような、趣があります。
駅から広場への街並みは、お花屋看板がさりげなく可愛いらしい。
看板一つとっても可愛い。
呼吸しているだけで幸せになる街、ブリュッセル。
小道の先に開けた広場があります。
ここに来なくては帰れません。
「レ・ミゼラブル」の著者で有名なヴィクトル=マリー・ユーゴーは「世界で最も美しい広場」と表現したことで有名なこの広場。
グラン・プラスの他、イタリアのサン・マルコ広場とカンポ広場が、世界で美しいとされている三大広場だそうです。
そんなグラン・プラスは1998年に世界遺産に登録され、今も昔も、ブリュッセルに来た観光客の定番観光スポットです。
広場の大きさは約110m×70m。
すごーく大きい!というよりは、歩いて回りやすい規模感。
ギルドハウスの建築群
殆どの建物の幅が狭いのは、当時の税金が建物が道路に面している幅員によって決まっていたからです。
こんな美しい広場の一等地に建物を建てることができるのは、どんな職業の人達なのでしょう…?
実は、お金持ちな貴族の邸宅は極一部。
キラキラした豪華な建物達は殆どがギルドハウスです。
ギルドハウスというのは、同業者組合のこと。
中世・近世時代、同業者がお互いに助け合って事業を行うための寄合場になっていました。
それぞれユニークな名前が付いていて、どんな同業組合だったかというと…
- 小間物商同業組合は「狐」(小間物とは、ボタンやレースを指します。)
- 船頭同業組合は「小角笛」
- 射手同業組合は「雌狼」
- 酒高級指物師樽屋同業組合は「袋」
10年ほど前からスタバが出店しています…!
オーバーツーリズムとともに、どこの観光地へ行ってもスタバはある…。 - 油商同業組合は「スペイン王、猫車」
- パン屋同業組合は「スペイン王」
因みに、ここの1階に入っているブラスリーは、とっても美味しくて絶品でした♡ - 「タボール山」私邸
- 「バラ」私邸
- 絨毯販売業・ビール製造業者「黄金の木」
- 酒場、肉屋同業組合「白鳥」
- 地方行政官の邸宅「星」
広場で1番古い建築はここ。 - 果物同業組合「兜」
- レストラン「孔雀」
- 靴下編み同業組合「小狐」
- チョコレート、カフェ「柏の木」
- 「丸テーブル」
- 「ロバ」
- ブラバン公の武器「執政官の邸宅」
- 塗装職人同業組合「鳩」
レ・ミゼラブルの著者、ヴィクトル・ユーゴーが弾圧されていた時期に住んでいました。 - 仕立職人同業組合「仕立て屋の家、金のランチ」
- 「天使」かつては貿易商人がオーナーだったそう。
- ワイン商野菜商同業組合「エルミタージュ」
- 皮なめし業同業組合「運命の女神」
- 製粉業者同業組合「風車」
- 大工の同業組合「錫の壺」
- 彫刻家、大工、佐官、スレート採取工の同業組合「丘」
同業組合い以外の建物もちらほら。ほんの一部分のみ、私邸や取引所が立ち並びます。
それにしても…寄合場にしては、とっても豪華。
今でも存在する職業もあれば、斜陽産業となった職業もありますね。
当時の文化がよくわかります。
ギルドハウスには、各々職業を表す紋章や像が装飾されていて、見れば見るほど、細部まで抜かりないこと…!
そして、有名な名所なのがこちら。
地方行政官の邸宅「星」にある装飾。
右下側の横たわる像が、英雄セルクラース。1356年にブリュッセルを攻めてきたフランドル軍から街を守った英雄です。
この像に触った者には幸福が訪れる…という言い伝えも…!
歴史
少しドイツ風な建築な気もして、木造かな?と思いきや、石造。
というのも、この建物群は、殆どが再建されたものでした。
元々は木造で造られていたけれど、大同盟戦争の最中、1695年、フランス軍からの砲撃を受けて、殆どが崩壊…
しかし、それぞれの商工会は屈しません。
脅威の速さ、それも、今度は燃えないように石造で再建され、現在に至ります。
市庁舎のみ、1402年から1455年の間に建造され、最初の建設時から石造のもので、再建ではありません。
約570年も、ずーっと広場を見守っているなんて…ヨーロッパの建物って、本当に凄い。
四季折々、週末はイベントも開催
私が旅した時は、ちょうど生演奏に合わせて、お人形がくるくる回って踊るイベントをやっていました。
このお人形がなんとも可愛らしいこと…!
何の団体だったのかも、何を記念してのイベントかもわからなかったけれど、即興で誕生日のご高齢者を舞台に呼んでhappy birthdayの曲を演奏したり、アットホームな雰囲気で微笑ましかったです。
私がいつか行きたいな…、と思っているのは、2年に一度、偶数年の8月に開催される、フラワー・カーペットの祭典。広場一面が花模様で飾られるイベントです。
次回開催されるのは2026年。2年後、私は何をしているんだろう…。
狙い目は朝
日中のグランプラスは観光客でいっぱい。
翌朝、早起きしてグランプラスへ行ったら、ゆっくり落ち着いて鑑賞することができました。
どの観光地でもそうですが、旅先での早起きは本当に得することが多いです。
ベルギー旅行中、半分以上は
「いかにもヨーロッパの秋!」
という鉛色の空でした。
カラッと晴れた空も似合うけれど、曇空も似合います。
実は24時間オンラインで観光できます
市庁舎に設置されたカメラから、24時間ライブ映像を見ることができます。
観光名所がライブで観られるなんて…!なんとういう時代なのでしょう。
もう今の時期は素敵なクリスマスツリーが確認できます。
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