※この記事には大量の人骨の画像が出てきますので、苦手な方は閲覧をお控えくださいませ。
昨今のコロナ騒動。
とりわけ最近は
インドの痛ましい映像がニュースで多数流れており、心を痛めます。
今日はコロナが流行り出してから何度も脳裏をよぎる観光地、
チェコのクトナー・ホラにあるセドレツ納骨堂のお話。
この納骨堂、別名:ガイコツ教会と呼ばれており、
内装はおよそ1万人の骨で装飾されている珍しい納骨堂です。
私は秋の少し半袖では涼しいくらいの時期に観光しましたが
この納骨堂の内部は独特の冷たい空気感と臭いがしていて
今でも思い出せるくらい、印象に残っています。
まずは入口。
受付で日本語のガイドを貸してもらうことができます!
ここから階段を下っていきます。
正面右側と、
正面左側の聖杯。
中央のメインの装飾
シャンデリアも全て人骨。
このシャンデリア、ほぼ全ての人骨の種類が組み合わさってできています。
…悲しいくらい、綺麗。
良いのか悪いのか、
ヨーロッパのこういう教会というのは
何もかもが美化されて見えてしまいがちな気がします。
…ここ、漫画でもアニメでも無く、現実に実在しているのです。
14世紀中頃、大流行したペストの犠牲者3万人
15世紀、フス戦争の犠牲者数千人
他、この土地は宗教上で聖地とされていることから、
各地から埋葬希望者が大勢押し寄せ、約4万人の魂が眠る場所に。
私が観光したのは2019年の秋。
流行り病って、過去の、それも大昔のものだと思っていました。
当時の私、この納骨堂の重さを理解しきれていなかったと思います。
怖いもの見たさのような感覚で観光に行き
現地ではロックなお兄さんたちが写真をバシャバシャ撮っていたりもして
あぁ、こんなワンピースのような、海賊になったような光景って現実で見ることがあるんだなぁ
ペストの被害って本当に深刻だったのだなぁ
なんて思っていました。
でも、この装飾には確実に、後世へ向けた
メメント・モリ(Memento mori)
死を忘れるなかれ
のメッセージが込められています。
単に興味本位で見たり、「うわぁなんかヤバいね」ってだけで済ませてはいけない場所。
当時を生きた人々は、如何に死が身近なものだったのか
人間というのは如何に無力か
今一度考えさせられます。
コロナ禍になってからは
現代を生きる私達にとっても、
ぐっと身近に身の危険を感じることが多くなり
私はこの納骨堂の光景や空気感を思い出すことが多くなりました。
そんな風に、今の私達にとっても戒めとなるこの人骨アート。
あぁぁ、建築って、アートって、娯楽だけじゃない。
こんなにも強いメッセージを持つ、大いに意味のある必要なものじゃないか。
過去の精一杯生きた人たちに学び、
周りの人に優しく、一日一日を精一杯生きたいものです。
コメント